SF映画「メトロポリス」(1927)視聴終了

2021年6月17日木曜日

映画 実写

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SF映画黎明期の作品とされている本作。「月世界旅行」の記事には書き忘れておりましたが、モノクロサイレント映画になります。

※パブリックドメインとして無料で視聴可能。ただし、保存状態などの事情により、さまざまな長さの版が存在します。今回見たのは「2時間25分の長さ」がある版であるのを、ご留意ください。

 

 

あらすじ

近未来。超高層ビルが立ち並ぶ大都市メトロポリス。

科学は発展していたが、労働者は地下の工場で使役され、支配者のみが地上で豊かな生活を送っていた。

あるとき支配者の息子フレーダーは労働者の娘マリアに恋をする。

二人は階級社会に矛盾を抱き、労働者たちの間でストライキを起こそうとするが……!?

 


感想

古さを感じさせないほど、新鮮な世界観。そこにまず心を奪われました。むしろ、いまだに使われていますよね。漫画「マギ」のマグノシュタットという国が、たしか地下に人が押し込められていましたよね。筆者が映画を見たかどうかは、存じません。


メインはフレーダーとマリアの恋愛部分でしょうか。フレーダーの父親(フレーダーセン)は、よく思わないのか。二人の邪魔をしようと画策します。旧知の学者ロトワングにマリアを誘拐させ、マリアに似せたアンドロイドをつくらせます。

 

しかしフレーダーセンとロトワングの思惑は、まったく違うんですよ。フレーダーセンは「マリアが作り出した労働者の団結を崩すこと」。一方でロトワングは「フレーダーセンが支配するメトロポリスそのものの壊滅」。

 

アンドロイド・マリアは創造主たるロトワングの意図するとおりに動きます。地下社会に潜り込み、ひとびとを扇動するのです。フレーダーはすぐに「マリアじゃない」と気づき。声を大にして言いますが、興奮した労働者たちによって追い立てられてしまいます。


アンドロイド・マリアの扇動によって、メトロポリスの心臓部が破壊され。地下の居住区は壊滅。逃げ出した本物のマリアとフレーダーによって、子供たちは救出に成功しました。

 

労働者たちはやっと自分たちがしでかしたことを理解し、すべての責任は「マリアにある」と考えて火あぶりにします。すると炎の中でアンドロイド・マリアは、機械の姿へ戻ったのでした。ロトワングとの決着もつけて、フレーダーは調停者として支配者側と労働者の仲介をはかる……ところで終わりました。


本来であれば、あと一時間分の内容があるみたいです。フィルムが見つかっていないようなので、見るのは無理でしょう。

 

濃い。内容が濃いです。発想も面白い。素直に「素晴らしい」と言いたくなりました。古典は古いはずなのに、まったく思いつかなかった発想があって楽しいです。ええぞ。古典はええぞ。

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