女児向けアニメ。当時プリキュアが人気であったから、埋もれてしまった作品『ふしぎ星のふたご姫』
ストーリーは、星の内側に七つの国がある「ふしぎ星」。ところがある日、星の中心にある“お日さまの国”の「お日様の恵み(人口太陽の光)」に異変が起こる。その光を取り戻すため、“お日さまの国”の双子のプリンセスであるファイン(CV:小島めぐみさん)とレイン(CV:後藤邑子さん)が奔走する話になります。
かわいいアイテムもたくさん出てくるわけですが、一番は変身アイテムですね。ファインとレインは、変身して魔法を使うことによって問題を解決へと導きます。一年間放送で、全五十一話。
子ども向けでありながら、主人公二人の恋愛面も描かれております。イケメンな王子様が、二人出てくるんですよ。しかも物語のはじめでは、きれいに四角関係。子ども向けとは。
王子様二人はこんな感じ。
ブライト(CV:柿原徹也さん)、宝石の国のプリンス。ふしぎ星のプリンセスたちのあこがれの的。しかし中盤で、闇の力に飲み込まれてしまう。終盤では二人の力を借りて、闇の力を振り払った。はじめはファインに好意を抱いていたが、後半ではレインに思いを寄せていくようになる。
シェイド(CV:皆川純子さん)、月の国のプリンス。正体を隠してエクリプスと名乗り、ファインとレインを追っていた。毎話出てくるわけではないが、序盤では二人を影から守っている描写有り。みずから正体をあかしてからは、二人とともに行動していることが多くなる。鞭を自由自在にあやつり、攻撃だけでなく物をつかむ腕前を見せる。はじめはレインに好意を抱いているような描写があるが、終盤にはファインに思いを寄せる。
そして主人公二人は一貫して、レインはブライトが好きで、ファインはシェイドが好きですね。揺らがない。あくまで女の子向けなので、二人の恋をかなえたのでしょう。制作側が。ただね。ブライトはレインを好きになる(それとわかる)回があるにもかかわらず、シェイドがファインを好きなった理由は謎のまま。
シェイドはただでさえ、態度や言動から思考が読み取れない。ですが物語の後半で「ファインが好き」と、明確にわかる行動はしているのですよ。唐突に来たから、「あれ?」となった。声優さんには、制作側から話いっているんですかね。このタイミングで好きになった、と、伝えられているんですかね。
あえてアニメでは見せないからこそ、想像力をかき立てられるわけですが。
一話だけ。シェイドにしては、不可解な行動をしているシーンがあります。闇落ちしたブライトから、パーティの招待状が届く回。一人でパーティーへ赴いたファインを、怒るんですね。ふだんであれば、あくまで淡々と客観的に述べるだけの彼が。いつも怒る役は、アルテッサ(宝石の国のプリンセス・ブライトの妹)が担っているのに。アルテッサがむしろ、シェイドをなだめているんですよ。ここがすごく、「ん?」となった。
しかも「一人でパーティーに行く」と書かれた置き手紙をぐしゃりとつぶして、誰にも指示を出さずに一人でファインを助けに行こうとする。完全に冷静さを欠いた行動。この時点で、すでにファインに好意を抱いていたのでしょうか。そのまえまえから、シェイドのファインに対する態度は少しずつ変わっていっていたように思います(たぶん)
しかし転機となったのは、この回ではないかな。恋心を自覚したのも、この回……かもしれない。シェイドの心理描写。終始まったくないから、わからねえ。考察するしかねえ。
ミステリアスなキャラクターは、かっこいいですからね。萌えですよ、萌え。
放送当時はシェイドとファインのカップリングに、萌えてたんじゃ。いまも一番好きなカップリング。ちゃおのコミカライズ版……? 知らない子ですね(おい)
雑誌『ちゃお』で連載されていた「ふしぎ星の☆ふたご姫 〜ラブリーキングダム〜」にも、一応触れておきますね。シェイドのキャラがアニメ版と、ぜんぜん違った。けっこう、ぐいぐい行くんですよ。レインに。この時点で、ちょっと萎えるという。しかも世界救わないまま、中途半端で終わります。アニメでいえば、前半で終わった形になるのかな。
アニメが正史なので、記憶から抹消したいんだよね。漫画版は。
アニメは続編「ふしぎ星のふたご姫 Gyu!」があります。こちらは舞台がふしぎ星から、ロイヤル・ワンダープラネットにある全寮制のロイヤル・ワンダー学園になります。二人の恋もかなったあと(とはいえ、別につきあうとかはない)なので、子ども向けに全振りしてますね。
ラスト以外「シェイドとファイン」「レインとブライト」の、胸きゅん描写は薄味かな。友情メインになっているので。なので第一期目がドレスのデザインも含めて、好きなんだよな。なによりファイン推しとしては「ファインちゃんの恋、叶って」と、ハラハラしながら見てたからね。そのわくわくも含めて、一期目が好き。
あと第一期目はファインが『主人公』でレインが『もう一人の主人公』という形での描写のされ方でしたが、第二期(Gyu!)ではレインが『主人公』でファインが『もう一人の主人公』という描写のされ方になっております。