SF作品は小難しいイメージがどうしても、つきまとっておりまして昔から読んでおりませんでした。ですがずっと気にはなっておりましたので、さいきん古典を読み始めました。原点となる作品は調べましたが、出てきませんでした。SFの定義がいまだ少し、漠然としているのやもしれません。
一応"本格SF"と言われている最初の作品は、ジュール・ヴェルヌさんが著した『月世界旅行』みたいです。しかしこちらは、アマゾンで探しても本が出てこなかったです。後編だけならば、あったのですが……。
とりあえず『未来のイヴ』『われはロボット』は、本があったので"欲しいものリスト"に入れておきました。あとはニーアシリーズをつくられた方が、影響を受けたという『ハイブリッド・チャイルド』もですね。
それはさておき。青空文庫にあった『R.U.R―ロッサム世界ロボット製作所』を、昨日のうちに読み終わりました。"ロボット"という言葉を作り出した歴史的作品ですね。
内容は未来のどこかにある孤島。そこにはR.U.R社のロボット工場があります。ロボットにも心があると考える"ヘレナ"は、工場を訪れてロボットも人と平等であるべきだと主張するのでした。というところから始まる話ですね。
ロボットはめちゃくちゃ普及して、人は自分では労働をしなくなり。退化します。出生率もゼロになってしまった中、人の手によって"意思"を持ってしまったロボットたちがひとびとを滅ぼしてしまいました。ただひとり工場に勤めていた人を除いて。
しかしロボットの製造方法は、すでに失われておりました。ロボットたちは途方に暮れます。人を一人でも生かしておけば、新たにロボットを作れると浅い考えをしていたのでしょう。
ただラストに恋人同士のロボット二体があらわれます。そこで互いにかばい合う二体を見て、男は新たな「アダムとイヴ」として送り出すところで物語は閉じます。
わりと現代に通ずる部分があると、実感しました。「労働が機械に取って代わる」とかね。あと人間側の"愛"は「欲」であるのに対し、ロボット側の"愛"は「奉仕」として書かれています。なかなか、考えさせられるものがありますね。
なによりストーリーの主軸となる「人を奴隷的労働から解放する為にロボットをつくった男」と「人の代わりに奴隷となったロボットを解放しようとした女」。彼らがどう行動したのかは、みずからの目でお確かめください。