SF小説『ハイブリッド・チャイルド』読了

2021年5月15日土曜日

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 「ハイブリッド・チャイルド」「告別のあいさつ」「アクアプラネット」の三編が収録されている連作短編集になります。ハードカバー版、文庫版、Kindle版とあるわけですが、どうやら"言い回し"が違うようです。今回読んだのは、Kindle版になるのをご留意ください。
 
 

あらすじ

アディアプトロン機械帝国に対抗するため、莫大な軍事費を投入し極秘裏に開発されている"サンプルB群"。サンプリングした生命の遺伝情報をもとに、細胞を作り上げる宇宙戦闘用生体メカニックである。その一体が軍の手を逃れて、逃亡の旅を開始する。
 

 

感想

読み終わったのは、今月のはじめごろなので記憶は薄くなっております。なので記憶をたぐりながら書かせて頂きますね。

たしか"サンプルB群"は本来、"意思"を持っていないんですね。ですが、何者かが"意思を持たせてしまった"ので逃亡を図る話になります。
 
「酸性雨が、まっすぐ天空から落ちてくる。長い長いおんなの黒髪のような雨だ」からはじめる物語は、とてつもなく引きつけられました。しかも、そのあと。電子書籍が出てくるんですよ。いま自分が利用している"電子書籍が"。

「いったい、どんな物語なんだろう」と、頬を紅潮させて読み進めるわけですよ。

しかしすぐに、「筆者の文体が読みづらい」と気づきます。ただでさえ世界観が独特なのに、"言い回し"が独特すぎて。世界観を理解する前に、「どういう状況なのか」すら理解が難しかったですね。それでも頑張って、最後まで読んだわけですが。
 
全体的に「独特すぎる言い回し」「ストレートな表現(残酷描写等)」 です。これは人には、勧められない作品ですね。

作品の内容としては、「母と娘の関係」がテーマなんでしょうね。とくに「ハイブリッド・チャイルド」は"狂気の母親"と"捨てられた娘"と。わかりやすく書かれておりました。あとの二編にも一応、「母と娘」出てくるんだけれども。

「よくわからなかった」が、正直な感想になります。

さき二編(「ハイブリッド・チャイルド」「告別のあいさつ」)までは理解できましたが、「アクアプラネット」はわからなかったです。
 
ページを進めるのがきつすぎて、多少、飛ばし読みしたからなのもあります。それを加味したとしても、視点がころころ変わるので散らかっている印象を受けるんですね。単純に言えば、理解するのが難しい作品。
 
総評として、自分には合いませんでした。二度とページをめくることは、ないでしょう。「ニーアシリーズ」を手がけた方が影響を受けたと知って読んでみましたが、"無理"でしたね。

一度読んでみて「どんな作品なのか」は、知れたので"良し"としましょう。ただ本当に、おすすめはしません。

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